痛いところはどこ?

足・膝の症状

足・膝

腰椎椎間板ヘルニア ペイン整形外

腰椎(腰骨)には脊髄が通るトンネルがあいています。脊髄はこのトンネルを通って脳と下肢をつないでいます。脊髄は腰骨の隙間からまるで木の根を出すように神経の枝を左右に広げています。神経は坐骨の下を通って下肢に分布します。
腰椎と腰椎の間にある椎間板が飛び出して(ヘルニア)トンネルの中で神経を圧迫すると腰痛が起こったり、下肢のどこかが痛くなります。痛みのために立ち上がることさえできない場合もあります。
ただし、よほど酷い状態でない限り手術をすることはありません。ヘルニア患者の3〜4%が手術を受けますが、ほとんどの方は神経ブロックを行うことで痛みを緩和することができます。

治療について→痛みの治療を知ろう:第11話 若いのに腰痛 腰椎椎間板ヘルニア

腰部脊柱管狭窄症 ペイン整形外

症状の原因は腰椎椎間板ヘルニアと似ていますが、違うのは神経が圧迫される原因です。腰椎(腰骨)のトンネルが年齢的変化により狭くなり神経が圧迫され痛みが起こります。椎間板ヘルニアと同じように、腰痛、あるいは下肢のどこかが痛くなり、痛みのために立ち上がることさえできない場合もあります。
腰部脊柱管狭窄症に特徴的な症状は、歩き始めると痛みやしびれがでて歩けなくなることです。少し腰を丸めて休むと再び歩けるようになります。
よほど酷い状態でない限り手術をすることはありません。多くの方は神経ブロックを行うことで痛みを緩和することができますが、完全に痛みやしびれを取り除くことは困難です。治療では生活上支障のない程度まで症状を改善することを目標としています。

治療について→痛みの治療を知ろう:第12話 長くは歩けない 腰部脊柱管狭窄症

下肢閉塞性動脈硬化症 血管外循環器

腰部脊柱管狭窄症と同様の症状ですが、歩行を休んでも回復しません。腰を丸めても痛みは引かず、下肢の動脈に触れると脈が弱かったり無かったします。
この病気の診断を確定するには血管外科や循環器科で血管造影をする必要があります。症状が強く、血管の狭窄が明らかであると手術を受けることになります。

下肢静脈瘤 血管外

女性や高齢者に多い病気です。下肢の静脈の流れが良くないために、下肢の皮膚表面に近い血管がりゅうりゅうと蛇の様にのたうち回り隆起してきます。静脈血の停滞によって下肢全体の血流が悪くなります。そのため下肢が重くなり、痛みも出ます。軽症では弾性ストッキングを使用します。症状が強くなった場合は、静脈瘤の手術を行います。

足底筋膜痛 ペイン整形外

若い成人に多い病気で、足底にある筋膜が炎症を起こします。歩くときに足の裏が痛く、体重を乗せられません。治療は特になく、痛みが引くまで足に負担をかけないようにすることです。症状があまりにも強い場合は、炎症止めを入れた局所麻酔薬を少量注射する方法もあります。

モルトン病 ペイン整形外

足の指の腱の痛みです。理学療法で対処しますが、症状が強い場合は炎症止めを入れた局所麻酔薬を少量注射する方法もあります。

変形性膝関節症 ペイン整形外

加齢、体重増加、下肢の筋力低下が重なると膝が痛みます。関節の形が変形するだけでなく、関節の隙間が狭くなります。こうなると歩行時に痛みが出ます。特徴的な症状は、1)立ち上がるときに痛みがでる。2)動かない時は痛みがない。3)階段の上り下りで痛み、特に下りの痛みが強い。4)坂道は下りがつらい…などです。
太ももの筋肉を鍛えることにより自分自身の膝をサポートすることが大切です。地道な運動訓練を6ヶ月続けると多くの人は見違えるような状態まで改善します。しかし、運動訓練当初あまりにも痛みが強い場合は関節内へのヒアルロン酸注入術を行います。

治療について→痛みの治療を知ろう:第13話 階段が辛い 膝の痛み

膝関節炎 ペイン整形外

急激な膝の痛みと膝の熱感が生じます。痛みのために膝には体重を乗せられません。腫れを伴うこともあります。

靱帯損傷(関節) 整形外

靱帯の損傷があるとかなり痛く、歩行は困難です。靱帯を損傷したときに膝に激痛を感じたり音を感じたりします。整形外科でギブスで固定してもらいます。

鵞足炎 ペイン

膝の内側の筋が伸ばされて炎症を起こした状態です。歩行時や膝をひねると痛みます。膝の内側の一カ所に狭い範囲で、押すと強い痛みが走る点があります。理学療法で対処しますが、症状が強い場合は炎症止めを入れた局所麻酔薬を少量注射します。